関東〜サハリンの太平洋岸の"Assiminea"(新生腹足上目:カワザンショウ科) (1)関東〜東北 鈴木田亘平°・福田 宏(岡山大・農・水系保全)・芳賀拓真(筑波大・第二・生物)
関東地方〜サハリンの太平洋沿岸に棲息しているAssimineidae カワザンショウ科のうち、特にこれまでAssiminea
グレイカワザンショウ属に属するとされていた種群(新属が必要)について検討を行った。本研究の対象とした地域には、カワザンショウ科の棲息に適した干潟環境は多くはないものの、他の地域にも広く分布している''A..''
japonica Martens, 1877 カワザンショウ、''A..'' hiradoensis
Habe, 1942 ヒラドカワザンショウ、その他に北海道の広い範囲に棲息している未記載種''A..'' sp.
1 アッケシカワザンショウ近似種が青森県上北郡六ヶ所村尾駮沼から採集され、また新たに福島県相馬市松川浦などから''A..''
sp. 2が見出された。このA. sp. 2は、殻は3〜4 mmと小型で薄く、半透明で螺状色帯は無く、殻色は黄色を帯びる、などの点で他の種とは明らかに区別することが出来る。またこれら4種は、殻以外では雌雄の生殖器の特徴によっても、それぞれ識別することが出来る。このような形態の差異に加え、それぞれの種の分布、ハビタットについても報告する。
Suzukida, K., Fukuda, H. & Haga, T.: A revision of the species
previously identified as ''Assiminea'' (Caenogastropoda:
Assimineidae) of the Pacific coast from the Kanto district to
Sakhalin (1) Kanto to Tohoku.