広島湾海底の有機スズタイムカプセルと生態系の遷移
荒川好満゜(海洋動物学研究所・広島貝類談話会)・四宮基彦・高橋 真・田辺信介(愛媛大・沿岸環境科学研究センター)

 広島湾の海底泥を特殊な柱状採泥器でサンプリングし、現場で2cmずつに輪切りにして凍結保存のうえ、それに含まれる有機スズ3態を分析、それぞれの試料についておおまかに年代比定を試みた。これをもとに、過去約40年におよぶ広島湾の養殖カキ・アサリ・ナマコ等の生産の推移、赤潮プランクトン相ならびに一般の海洋生態系の遷移を対比し、有機スズ汚濁負荷と湾の生態系撹乱の関連について考察した。調査は全労災の研究助成に負うた。

Kohman Y. Arakawa, Motohiko Shinomiya, Shin Takahashi & Shinsuke Tanabe: Transition of organo-tin accumulation in marine sediments of Hiroshima Bay with particular references to succession of marine ecosystem for past forty years (preliminary report).