日本海溝に生息するナラクハナシガイの貝殻の形態計測とサイズヒストグラム
大越和加(東北大院農)゜・大越健嗣(石巻専修大理工)・奥谷喬司・藤倉克則・藤原義弘(海洋科学技術センター)

2002年7月12日から7月15日にかけて、日本海溝水深約7320 mに生息するナラクハナシガイの3群集が採集され、そのうち合計353個体について貝殻の計測を行い、また、貝殻のサイズヒストグラムを作成することができた.採集されたナラクハナシガイの貝殻の大きさは殻長7.1 mmから34.9 mmであった.殻乾燥重量を測定することができたランダムな31個体では(最小個体殻長11.1 mm 0.059 gから最大個体殻長31.1 mm 1.80 g)、殻長と殻重量の間には高い相関が示された.殻長、殻高、殻幅それぞれの関係について各群集内、および3群集の個体を総計したものにおいて高い相関係数が得られた.ヒストグラムから、各群集または3群集を総計したものにおいて基本的には殻長20から24 mmにピークを有する単峯形であることが示されたが、複数の峯が存在する可能性も考えられ、解析は今後の課題である.

Waka Sato-Okoshi, Kenji Okoshi, Takashi Okutani, Katsunori Fujikura and Yoshihiro Fujiwara. Shell morphometrics and size histogram of the hadal bivalve Maorithyas hadalis from the plate convergent area of the Japan Trench.