岡山県成羽町における陸淡水産貝類相
清水智彦°・福田 宏 (岡山大・農・水系保全)

 2000年10月から2003年1月にかけて、岡山県成羽町にて陸淡水産貝類を採集し、ファウナリストを作成した。成羽町は、中央部に石灰岩の露頭がみられ、ヤセキセルガイモドキMirus gracilispira Kajiyama & Habe, 1961の模式産地としても有名である。しかし、これまでに当地において分布調査はなされておらず,貝類相の詳細は今回初めて明らかになった。27科約70種が確認できた。特記すべき種として、ヤセキセルガイモドキ (環境省RDBで絶滅危惧U類) をはじめ、ナタネガイモドキ Pyramidula (Pyramidulops) conica Pilsbry & Hirase, 1902 (準絶滅危惧; 岡山県新記録)・イボイボナメクジの1種 Granulilimax sp.・ビロウドマイマイの1種Nipponochloritis sp.・カタマメマイマイLepidopisum conospira (Pfeiffer, 1851) (絶滅危惧U類; 岡山県新記録)等があげられる。

Shimizu, T. & Fukuda, H.: Terrestrial and freshwater molluscan fauna of Nariwa-cho, Okayama Prefecture, Japan.