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多様性保全委員会

貝類の存続を脅かす要因と多様性保全の重要性

環境省編纂・発行の「レッドデータブック」の最新版(2014年)では、563種もの貝類が絶滅危惧種(絶滅危惧I 類+II 類)とされています。この本には各種の存続を脅かす要因が挙げられており(1種について複数の要因が挙げられている場合もあります)、それを陸産種、淡水産種、汽水・干潟産種ごとにまとめてみると、陸産301種のうち193種が森林伐採、96種が開発、85種が採集圧力の増大(乱獲)、淡水産46種のうち42種が開発、19種が水質汚濁、11種が採集圧力の増大、汽水・干潟産216種のうち199種が開発、173種が水質汚濁、41種が局所分布であるとされています。様々な開発行為、森林伐採、水質汚濁、そして採集圧力の増大(乱獲)が、日本の貝類の多様性を脅かす4大要因であることがわかります。

人類は、貝類の形態のめくるめく多様性と美しさ、精緻さ、行動や生態の巧妙さに魅了されてきました。この多様性を生み出してきたものが進化であり、逆に言えば、貝類の多様性それ自体が、地球上で生命が誕生して以来の生物の進化の歴史の一部を反映した、科学的に極めて重要な歴史的産物です。また、貝類の多様性は、貨幣、食物、民具、祭祀や産業上の用具、美術品などとして人類の文明や文化の発展に大きく寄与しており、文化的な財産でもあることは、言うまでもありません。

この素晴らしい公共財である貝類の多様性を私たちの世代で大きく損なうことなく、将来へ引き継ぐことが、私たちに課された責務となっています。そのためには、社会情勢を踏まえつつ上記のような要因の負荷を減らしていくことが必要です。私たちには、今、そのような配慮をしつつ、貝類を利用し、研究し、愛好していくことが求められています。

(参考文献:環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室(編集) 2014 レッドデータブック2014 日本の絶滅のおそれのある野生生物 6 貝類. 株式会社ぎょうせい. 455pp.)

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