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多様性保全委員会

貝類採集上のモラルとマナー

2019年1月28日

野外での調査・採集という行為には、わずかではあれ、必ず環境の改変が伴います。足を踏み入れた森や草地や湿地や水辺の土壌、植生、底質は少なからず撹乱されて、微小な生物の生息場所が失われることもあります。こういった撹乱を最小限に留め、採集という行為とその結果が将来の多様性の保全に役立つよう、以下のようなマナーを守ってください。

1.レッドリスト・レッドデータブック掲載種の扱いについて

法律や条例で採集が規制されている貝類は、まだ、ごくわずかです。絶滅危惧種のほとんどは、様々な事情によって未だに法規で指定されていません。ただし、環境省や地方自治体が発行するレッドリストやレッドデータブックに掲載されている絶滅危惧種については、開発等の事業が着工される前に行われる環境影響評価では考慮すべき対象となるなどして、保護対策がはかられています。日本全土を対象とした生息状況(絶滅の危険度)は環境省のレッドリストまたはレッドデータブックにまとめられていますが、都道府県ごと、場合によっては市町村ごとの生息状況も、それぞれの自治体によって公表されています。(リンク集の表10)。

法規で採集が禁止されていない種であっても、採集に出掛ける前には、採集場所を含む地域(都道府県や市町村)での生息状況を調べておき、絶滅危惧種である場合には採集を控えましょう。

2.野外調査時のマナー

それぞれの種が、それぞれに特有の生息場所を持っており、微小な種では、こぶしサイズの礫や石、一握りの落ち葉の堆積の有無さえもがその種の保全に欠かせない場合もあります。したがって、採集を行う前には、まず、その場所の環境を確認しておき、調査の後には、必ず、調査前の状態に復帰させるよう心がけましょう。石や倒木・朽ち木を持ち上げて裏返したら、落ち葉の堆積をかき分けたら、必ず、元の状態に戻しておくなどの配慮は不可欠です。また、必要最小限の個体だけを採集しましょう。

調査や採集という行為が、外来種の分布を拡大させてしまうこともあります。外来種が靴底や採集用具に付着して、それまで生息していなかった別の場所に運ばれてしまうことがあるからです。したがって、外来種が多い場所で調査や採集を行った後には、その場で靴底の土を払う、採集用具に付着している生物を取り除く、室内で消毒を行い十分に乾燥させる等の措置を行ってください。

3.採集後のマナー

ある場所で貝類を採集した結果は、仮にそれが普通種ばかりであったとしても、それ自体が非常に貴重な地域の博物誌の一部であり、その地域の貝類の多様性の変遷の一断面を記録したかけがえのない情報です。したがって、必ずそれぞれの標本に年月日・採集場所・種名・採集者を記し、採集記録を作り、保管しておきましょう。また、できれば、その採集結果を「ちりぼたん」や各地の貝類愛好会等が発行している雑誌、地方の博物学雑誌等に公表しておきましょう。さらに、手元に置く必要のない標本があれば、もよりの博物館に寄贈しておきましょう。

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