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多様性保全委員会

日本貝類学会多様性保全委員会の活動

2019年1月28日

現在、日本の貝類の多様性は大きな危機に直面しています。

日本貝類学会は、1986(昭和61)年以降、環境省(2000年までは環境庁)に協力して、日本に生息する希少な貝類の調査・研究・選定作業・委員会での提言などを行ってきました。環境省は、他の分類群も含めたそういった成果を約10年ごとに取りまとめ、「レッドデータブック(Red Data Book):日本の絶滅のおそれのある野生生物」として公表してきました。その最新版である2014年刊行のレッドデータブックには5685種もの希少生物(絶滅のおそれがある絶滅危惧種や、将来その可能性がある準絶滅危惧種など)が掲載されており、その中に、貝類は1139種も含まれています。この種数は維管束植物2155種に次いで多く、動物全体2732種の42%を占めています。また、この2014年版レッドデータブックで評価の対象となった貝類は、陸産、淡水産、汽水・干潟産の約3200種だけでしたが、その35%が希少種とされたわけです。さらに、2014年版レッドデータブックでは19種の貝類が既に絶滅してしまったとされていますが、貝類の存続を脅かす要因(次ページ参照)の強さは今後も増大していく可能性があり、絶滅種がこれからも次々に生じて、日本の貝類の多様性が一層低下していくことも考えられます。

このような状況を踏まえ、日本貝類学会は、2017年4月、軟体動物の多様性の保全とそれに関わる知識や情報の普及・啓発を推進することを目的として、多様性保全委員会を設置しました。本委員会は、この目的を達成するため,以下の活動および支援等を行います。

  • (1)多様性保全に係る情報の収集と調査研究
  • (2)貝類目録の作成と更新
  • (3)出版・広報活動
  • (4)研究集会やシンポジウムの開催共催,協賛
  • (5)提言,要望,意見,声明等の公表
  • (6)多様性保全に関する会員や他団体からの提案や要請の受付
  • (7)日本貝類学会会員による多様性保全に係る調査研究への助成
  • (8)他学会や他団体との活動協力
  • (9)環境省および都道府県等への希少種等に係る情報の提供
  • (10)その他目的遂行のために必要な活動

(参考文献:環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室(編集) 2014 レッドデータブック2014 日本の絶滅のおそれのある野生生物 6 貝類. 株式会社ぎょうせい. 455pp.)

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