【お知らせ】北九州市の曽根干潟の保全を求める要望書の提出について
2025年2月23日
多様性保全委員会が、福岡県北九州市の曽根干潟の保全を求める要望書(瀬戸内海(周防灘)の生物多様性保全の見地から北九州市の「企業誘致加速大作戦」の再検討を求める要望書)を、他の6学会・委員会とともに北九州市と福岡県に提出しましたので、お知らせします。
北九州市は、昨年7月に、曽根干潟の後背地を含む地域に民間企業を誘致し、現在の農地などを新たな産業用地に転用して開発するという計画(企業誘致加速大作戦)を公表しました。その計画は、現時点ではまだ立案の段階であり、具体的な開発計画の場所や内容は未定です。ただし、後背地の農地がなくなる箇所があるという点で、曽根干潟への影響も予想されます。しかし、公表されたその計画には、現時点では干潟の環境保全への配慮等が書かれていませんでした。
この曽根干潟には、貝類では、環境省RDBで絶滅危惧 I類(CR+EN)とされるシマヘナタリ、クロヘナタリ、ゴマフダマ、ササゲミミエガイ、イチョウシラトリ、ガンヅキだけでなく、ツボミ、ヒロクチカノコ、ウミニナ、イボウミニナ、フトヘナタリ、ヘナタリ、オカミミガイ、クチバガイ、ユウシオガイ、オオノガイなど多くの希少種が棲息していることが知られています。希少鳥類も、干潟だけでなく後背地の農地にも数多く飛来していることが知られています。
そこで、その開発計画に曽根干潟と後背地の環境保全に関する配慮を盛り込んでいただくよう求める要望書(具体的には、北九州市には、干潟の後背地を「民間開発募集エリア」から除外することを求め、福岡県には、瀬戸内海環境保全特別措置法等に則って、北九州市に対して適切な指導を行うことを求めています)を、多様性保全委員会を含む7つの学会・委員会が共同して、2月7日に北九州市と福岡県に提出しました。
要望書の全文は、多様性保全委員会の「要望書」のページに掲載されていますので、ご覧ください。